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2021/02/26
とある妖怪たちの物語
再来
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演目壱
「はつ花染めの色深く」
キャスト:真朱/山鳩/店主役:深支子/地主役:灰桜
台本:朱殷
真朱のお気に入りの茶屋
真朱が山鳩を連れて人間の姿をしてお気に入りの茶屋へやってきた。人間が営む小さな茶屋だ。
しかし、どうやら先客が地主だったようで、土地代を払えと店主に迫っていた。真朱は握り飯を食べるからと地主を帰らせる。
ここの握り飯が最高だと食べながら、最近は土地代が上がり困っていると聞く。
お客様に愚痴を言ってしまったと店主は謝罪をして店の方へ戻った。
「ゆっくりしていっておくれ、"まそちゃん"、"ヤマのお嬢さん"」


地主を懲らしめて
真朱はこの茶屋がなくなるのが嫌だった。ここの景色も握り飯も自分のものだ。
嫌な予感をする山鳩だったが、何もせず朱殷に小言を言われるのも嫌だということで仕方なくその悪さに付き合うことになった。
山鳩はついていくだけだからと釘を刺し、真朱は気合を入れていた。
お気に入りの茶屋のためならと気合十分。
夜になると、二人は本来の姿である妖怪になり、地主の屋敷へ忍び込む。
これ以上は悪さをするなと脅して、その場を後にしたのだった。
危機は去った
翌日、地主からの値上げはなくなったと店主は明るくなっていた。
地主はひどい蒼い顔をていたそうだ。
どうやら夜通し眠れなかったらしい。
想い
兎肉のそぼろの握り飯を堪能した真朱。帰り際、店主は山鳩に声をかけた。
しかし、緊張したのか、いつもと変わらず見送りの言葉だけだった。
"くれなゐの はつ花染めの
色深く 思ひしこころ 我忘れめや"
忘れられるわけはない。この恋心。

